無担保・無保証で開業資金の融資を受けるには
融資は事実上の借金です。
少額であれば負担は少ないですが、金額が大きくなれば返済負担も増えてしまうものです。
そのため、「低利で借りること」「返済期間を長く設定すること」の他に、「無担保・無保証」という条件で借りられれば、実質的な負担や精神的プレッシャーも軽減されます。
基本的に無担保・無保証で融資可能なのは日本政策金融公庫のみです。
これは公庫が国による100%出資の銀行だからできることといえます。
後述しますが、自治体の制度融資でも、無担保・無保証のものはあります。
しかしながら、こちらには代表者保証はついてしまいます。
無担保・無保証の融資について
(1)融資制度の担保や保証人とは
通常の融資では、金融機関側は貸し倒れのリスクを考慮して担保や保証人を要求します。
担保は不動産や定期預金が該当し、借入金の返済が困難になった場合に弁済費用に充てられます。
保証人とは「人的担保」とも呼ばれ、債務者が返済困難となった場合、そのお金を代わりに返済する役割を持つ人です。
(2)無担保無保証の融資では担保も保証人も不要
無担保無保証を条件とする融資の場合、文字通り担保も保証人も不要です。
無担保・無保証であれば、個人のリスクは軽減されるので、プレッシャーからもある程度解放されて事業運営を行うことができます。
冒頭で述べたようにこの無担保無保証の制度を設けているのは、日本政策金融公庫のみです。
無担保無保証の融資が可能な制度としては以下のものがあります。
- 新創業融資制度
- 中小企業経営力強化資金
無担保無保証融資制度の特徴
(1)メリット
- 融資のハードルが下がる
- 事業に失敗して会社が倒産した場合、返済しなくて良い
- 経営者の精神的負担が軽減される
創業はリスクを伴うので、どんなに優秀な経営者でも、時には失敗します。
失敗すれば精神的にも経済的にもダメージは甚大ですが、借金が残らなければ、再スタートできる可能性はあります。
(2)デメリット
- 場合によっては金利が金融機関よりも高くなる
- 資金の残高などを細かくチェックされることがあるため、抵抗感が生じる
貸す側にとって、無担保・無保証はリスキーなので、資金の残高などを細かくチェックされたり、金利が高くなったりするケースはあります。
その融資は本当に無担保無保証?
信用保証協会の保証付融資(いわゆる自治体の制度融資)も物によっては無担保・無保証となります。
ただし、制度融資の無保証は「第三者保証」がないだけで、「代表者は連帯保証人となる」ことは条件として残ります。
要するに、事業が失敗して会社倒産となっても、代表者は「保証債務の履行」をしなくてはなりません。
事業失敗の後に、借金も残っているとなると、再スタートは困難となります。
なお、個人事業主の場合、個人名義でお金を借りているため、事業がつぶれても返済責任は残ってしまいます。
そのため、代表者保証がつかないというアドバンテージは、法人での融資にのみあります。
まとめ
無担保・無保証人での融資は、基本的に、日本政策金融公庫のみです。
そういった意味でも、創業期に融資をするならば、やはり日本政策金融公庫を利用するのがベストと言えます。
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