融資の成功には自己資金額が重要

美容室の開業を目指す場合に、一番厄介になるのがお金の問題です。
規模の違いはあれど、開業には1,000万円程の高額な資金が必要になるからです。

 独立前にコツコツと貯金するのが最も堅実な方法ですが、時間がかかってしまいます。
そのため、開業される方の多くは、金融機関からの融資によって資金を賄っています。

ただし、それには審査を通過しなければなりません。
審査では経営者の適正や事業計画書の完成度など様々な要素が判定されますが、中でも重要になってくるのが自己資金です。

後述しますが、統計的に見ても融資額は自己資金に比例します。
そのため、自己資金がない場合は希望額の融資を受けられない可能性も高くなります。

では自己資金を増やすにはどうすれば良いのか。
それには、まず自己資金の意味を正しく理解する必要があります。

自己資金とはその名の通り、「自己が所有する資金」のことです。
手元にあるお金の総称が自己資金だと思うかもしれませんが、融資における自己資金は意味が違います。

融資における自己資金は「出所が明確にわかる現金」であり「誰にも返す必要のないお金」です。

タンス貯金など預貯金通帳などで確認が取れないものは認められません。
また、借金などで入手した返済義務のあるお金も、自己資金ではありません。

日本政策金融公庫や自治体の制度融資では、自己資金額は重要視され、融資審査で重点的に確認されます。

この理由については、自己資金が多ければ多いほど融資金を回収できる確率は上がるからです。

多くの場合、開業してから利益が出るまでに時間を要します。
自己資金が高ければ赤字の補填がきくので事業の持続力は高くなりますが、少なければ資金ショートを起こす可能性が高く、融資金の回収ができないリスクも上がります。

また、自己資金が少ないと、開業における準備不足や計画性のなさ、お金に対する意識が低いと判断されてしまいます。

もちろん、自己資金がないからと言って融資が受けられないわけでもありません。
創業計画書の完成度や面談でのアピールから、希望する融資額を得た経営者もいます。

ただし、そのようなケースは稀であり、基本的には自己資金が多いほうが審査に有利に働くことに十分留意してください。

自己資金を高く見せようと「見せ金」を作る方がいます。
一時的に借りたお金を通帳に入金して、自己資金に見せかける行為です。

しかし、融資担当者も、半年から１年ほど遡って入金をチェックするので、出所が不明なお金はすぐにバレます。
発覚した場合は、信用を大きく損ない、審査が厳しくなってしまいます。

自己資金は融資を受ける上で重要な要素となります。
受けられる融資額も変わってくるので、できる限りお金を貯めておきましょう。

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